2002年2月14 日(木)19:21

フィシュラー農業委員は農業改革をEU拡大の条件とせぬよう警告

ベルリン(ロイター)

欧州連合(EU)のフランツ・フィシュラー農業担当欧州委員はドイツのハンス・アイヒェル蔵相(社会民主党)に対して、EUの農業改革を欧州連合拡大の条件としないよう警告した。

『南ドイツ新聞』の予告報道によれば、「私は危険があると考える。農業改革を拡大の前提とすれば、大量のEU拡大反対論者を生み出すだろう」とフィシュラー委員は語ったという。フィシュラー委員は、拡大を口実に異論のある改革を押しとおそうとする目論みを戒めた、と同紙は金曜版で報じている。「拡大をてこに利用して、われわれの農業政策を解体しようと試みる人々がいる。」アイヒェル蔵相は木曜日、パリのフランス国民議会において、最善の策はEUの東方拡大の前に農業市場管理を改革することだ。さもなくば東方拡大が高くつきすぎる、と主張している。計画ではEUは2004年に最大で10ヶ国に拡大する予定である。

ヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)は先週末EUに対し、2004年予定の拡大に備えるべく、速やかな農業改革を呼びかけた。EU現加盟国は新規加盟の10ヶ国を受け入れる前に農業改革についての合意をまとめる必要がある、とフィッシャーはスペインのカセレスにおけるEU外相会談を終えて述べた。

EUは、予算のおよそ半分を農業補助金が占める現行の農業政策の改革を計画している。EUは当初、新規加盟国の農家に対しては直接補助金の支給を予定していなかった。しかし欧州委員会は、この補助金がなければとりわけ、大きな農業人口を抱えるポーランド国民の拡大に対する支持を取り付けられないと見る。そこで欧州委員会は、新規加盟国を10年間で段階的に現行の補助金制度に組み入れる計画を提案した。しかしとりわけポーランドはこの案を「まったく不充分」と批判している。

原題:Fischler wanrt vor Agrarreform als Bedingung fuer EU-Erweiterung